SWP | 365日、海! サーフィンと海遊びのブログマガジン

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フィリピン、バレルでバレルだぁ〜の旅 〜 その5 コブラの洗礼 〜

小川幸男 Photo by Ken-G

小川幸男 Photo by Ken-G


サーフキャンプから戻った我々はそこそこ疲労がたまり始めていた。
なにしろ平均年齢45歳のおじさんトリップ隊なのである。
バリから参戦のキック隊長、コマンは久しぶりの海外トリップの上にハードな移動が続き、顕著に疲労の色を滲ませていた。
「モウツカレタヨ」
そんな言葉が頻繁に口をついて出るようになっていた。
そんな疲れた我々をよそにミスターM`sは全く疲れたそぶりを見せない。
「じゃあな、明日は6時な」
焼酎をたんまり喰らってヘベレケのはずなのだが必ず翌朝の集合時間を我々に刻み込んでいく。
この男、鉄人だな。
それにしても1日くらいゆっくり寝てみたい。
そんな思いをよそに否応無しに次の朝はやってくるのであった。

「ほらみろー。サイズアップしてんだろ」
ミスターM`sのダミ声が早朝の澄んだ空気を引き裂いた。
確かにかなりデカそうだ。
少年カイはキャンプの疲れからか体調を壊し、この日はホテルで休んでいた。
ああ、ボクも寝てればよかった。
この日のコブラリーフは底ッポレでかなりのパワーがありそうで、運悪くセットをくらったら八つ裂きにされそうな雰囲気を漂わせていた。
そんなボクの心の動揺など気づくはずもないプロサーファー小川幸男は「ウッヒョー」などと嬉しそうな奇声を発しながらあっという間にピークへとパドルしていってしまった。
やっぱあいつどっか大切な部分がプツンと切れてるな。
いわゆるキレてるやつ。
あんな小動物みたいな爽やかな顔をしているくせにやることは猛獣だ。
まあ、パイプラインでショットを残すサーファーってのはやはりどこか常人とは違うわけで、このくらいのサイズの波はまだファンウェーブの範疇なのだろう。

とにかくここまで来てしまったら海に入るしかない。
これでも2007年まではプロとしてロングボードのコンテストに参戦していたのだ。
負けてはおれん。
そんな思いと、始めて間も無いショートボードでは無理だろ、という思いが交錯しながら何はともあれピークへとパドルしていった。
ピークが近づくにつれ、その波の迫力に圧倒された。
ひとたびセットが入ってくるとまるで巨大生物が大きな口を開けながら襲いかかってくるようであった。
セットはダブル以上になっていただろうか。
「小波用だよ」と渡された幅広のショートボードで果たしてテイクオフが出来るのだろうか。
セリフを覚えぬまま舞台に立たされているような心境でラインナップへと加わっていった。
>> 次のページ >>  コブラに食われた〜〜

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フィリピン、バレルでバレルだぁ〜の旅 〜その4 これが本当のサーフキャンプ 〜

コブラリーフ Photo by Ken-G

コブラリーフ Photo by Ken-G


ひとたびコブラリーフにセットが入ると今までに見たことのないようなコブラ的なブレイクを見せた。
コブラ的とはいかにも恐ろしそうな響きであるが、実際になかなか迫力のあるブレイクであった。
水の塊が海底のリーフにヒットし、ボトムから波が形成されていく。
なんかちょっと普通とは違う。
少なくともバリや日本では見たことのない種類の波であった。
ボトムから海水が押し上げられながら波へと育っていく。
プロサーファー小川幸男は「チョープー的な感じだよね」とサラッと言っていたが、きっとそれに近いのだろう。
とにかく今までに経験したことのない波であった。

「来週になるとウネリが入ってくるからさ、それまでキャンプにでも行くか」とミスターM`sがダミ声を発した。
これ以上でかくなるんですか?
まじですか。
いらないんですけど。
チョープーになっちゃったらどうすんのよ。
お腹痛くなるしかないな、そんときは。
咄嗟にそんなことを思いつつ、我々はキャンプに出かけることになった。

太陽、タイミングが・・・

太陽、タイミングが・・・


前夜の深酒が祟り、ヘロヘロになりつつ車に乗り込んだ。
つーか毎晩深酒なのだ。
今回の旅では晴天に恵まれなかったが、この車での移動中の時間に限ってなぜかウルサイくらいの晴天になっていた。
車中ゆっくり眠っていたかったのだが、ところどころで太陽光線が「これでもかっ」と言わんばかりに我々の顔に体当たりしてきて貴重な睡眠の邪魔をしてくれた。
ったく、こんな時ばかり顔を出しやがって、太陽のやつ。
そんでもって車から漁船的な小舟に乗り込むころにはヤカマシイ太陽はなりを潜め、暴風雨に見舞われた。
雨に打たれながら生まれたての小鹿のように小刻みに震えながら対岸を目指した。
ん〜、なんだかな〜。
どうも今回の旅はとことん天候に恵まれていない。

対岸の小さな漁村に船をつけるとそこからはバイクでの移動となる。
なかなかハードな旅だ。
ハードになればなるほど旅人スピリットに火がついてくるから不思議だ。
しばらくジャングルの中を走り、視界に海が広がってくるとやはりなんだか嬉しくなってしまう。
「おー海だあ〜」
どんなときでも海が見えてくるとテンションが上がる。
つくづく我々サーファーは海辺の生き物なのだな〜などと意味もなく関心してしまった。

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フィリピン、バレルでバレルだぁ〜の旅 〜その3 とんでもなく〜

コブラリーフ

コブラリーフ


まだ夜も明け切らぬ早朝5時。
ミスターM`sの「おーい起きろ!」というダミ声で深い眠りから強引に引っこ抜かれた。
この謎の男ミスターM`s、酒も強いが朝もめっぽう強い。
だいたい酒が強い人というのは朝が弱いと相場が決まっているのだが酒も朝も両方強いとは相当に手強い。
9日間の初日だったわけなのでもう少し眠っていたかったのだがそうも言ってられない。
ミスターM`s、噂にたがわずなかなかの強敵なのだ。

鉛のように重たい体を引きづりつつ気を失いそうになりながらもなんとか車に乗り込んだ。
それにしても昨晩サーフィンの準備をしておいてよかった。
朝起きてからフィンをつけて、何てことをしていたらいつまでたっても出発できず、ミスターM`sにケツをひっぱたかれていたことだろう。
ギリギリのところで難を逃れたようだ。
とにかくボクは車に揺られてポイントまで運ばれていったのだった。

バレルエリアにはサーフスポットが点在しているのだが、なかでも代表的なポイントがコブラリーフだ。
ここが本領を発揮すると『とんでもない』波になるらしい。
とんでもないとはどんな風にとんでもないかというと、とんでもなく底ッポレのとんでもないチューブになるということらしいのだ。
これはとんでもないことだ。
だいたい名前からしてもとんでもない。
なんつったってコブラですからね。
噛まれたら死ぬわけですよ。
これは本格的にとんでもなさそうな気配が漂っている。
どうか本領など発揮しないでくれ、などととんでもなくチキンなことを祈りつつマングローブの森を10分ほど歩いていくとコブラリーフが視界に入ってきた。
Aフレームのピーキーな波が無人の海に弾けていた。
波のサイズはセットでアタマくらいだろうか。
小コブラといった装いでなんとか可愛げがあった。
とにかくとんでもない事態は免れたようでホッと胸を撫で下ろした。

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フィリピン、バレルでバレルだぁ〜の旅 〜その2 長旅を乗り越えて 〜

サーフボード山積みでGO!

サーフボード山積みでGO!

仕事的な旅であれば個々で空港にチェックインしてゲートで待ち合わせることが常である。
仕事の旅ってのはそんな風にクールに進行していく。
しかし、今回のフィリピンの旅は友達同士の旅であるからそういうわけにはいかない。
出発5時間前にはキック隊長から「今ドコ? 早くクルヨー」と催促の電話が入った。
いかにもソワソワしている感がガシガシに伝わってきた。
サヌールからコマンを車に乗せ、キック隊長の家で決起集会を行うことになった。
今回の旅には日本からバリへ単身サーフィン留学をしているカイが同行することになっていた。
13歳にしてすでに旅慣れているカイは案外クールで、出発直前までタオルケットにくるまりつつ気持ち良さそうに眠っていた。
手に負えなかったのはテンションが上がりすぎているおじさんたちだ。
キック隊長はベロベロに酔っ払った時のようなハイテンション仕上げ。
何しろ20年ぶりの海外トリップなのだそうだ。
コマンはコマンで昨夜はヨロコビあまり一睡もできなかったそうだ。
なんなんだ、このおじさんたちは。
やや遅れてやってきたフォトグラファーのKen-Gくんは体調を崩しているわりには笑顔が明るい。
全体的に浮かれきったおじさんたちとクールな少年がフィリピンへ向けてバリ島を後にしたのだった。

まだ夜の明けきらぬマニラの空港でこの旅のオーガナイザーである謎の男ミスター M`sとプロサーファー小川幸男と合流し、7人前の山のようなサーフボードをハイエースの屋根に括りつけて今回の目的地であるバレルエリアへと走り出した。
夜明けのマニラはインドネシアのジャワ島を思わせる風景であった。
と言ってもジャワ島に行ったことのない人にはイメージが湧きづらいか。
東南アジア特有の雑踏。
車やバイク、人やら犬やら猫やらなんやらが入り混じってグチャグチャ感が満載。
じっとりと湿った空気が体にまとわりついてくる。
心なしかバリ島とも似ている。
バリを2段階ほど貧しくした感じだろうか。
それに、人の顔つきもなんだかインドネシア人によく似ている。
フィリピーナと接していると思わずインドネシア語を使ってしまう自分がいたのはそのせいだろう。
ガイジンから見た日本人、中国人、韓国人といったところなのだろうか。
とにかくまあよく似ているのだ。
初めてやってきた地であったが、全く違和感なく溶け込んでいけそうな親近感を感じていた。
>> 次のページは >> いよいよバレルへ!

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フィリピン、バレルでバレルだぁ〜の旅 〜その1 こうして旅は始まった〜

まさか実現するとは!!

まさか実現するとは!!


気が付いてみるとすっかり旅が仕事になっている。
旅を続けていくには旅を仕事にするしかない!という単純な発想が端を発して今のライフスタイルがある。
まあでも理想なんてもんは叶ってしまうとそれはそれで現実になってしまい、いい部分のついでに悪い部分も見えてくるものだ。
旅に出れるってことは今でも嬉しいものであるが、やはり現実的には生活の糧となっているわけなのでそれなりにプレッシャーもある。
お気楽な一人旅とはわけが違う。
初対面の仕事関係の人たちと旅することだって少なくない。
それなりに気を使うことだってある。
贅沢者と言われてしまえばそれまでなのだが、それが今のボクを取り巻く現実なのである。

エアポートリーフでサーフィンをしたある日のこと。
いつものようにダラシなくビンタンビールに溺れかけているうちにフィリピンに行こうという話が持ち上がった。
「フィリピンにさあ、バレルってとこがあってさ、そこのバレルがすごいのなんのってさあ」
日本からやってきていた謎の男、ミスターM`sいわく、そこにはとんでもなく素晴らしい波があるらしいのだ。
「ん? バレルがどうしたって?」
「バレルのバレル?」
「なんだかややこしいな〜」
テーブルを囲ってた酔っ払いの赤ら顔たちが口々に好き勝手なことを言い始めた。

フィリピンといえば真っ先に思いつくのがクラウドナインだ。
しかし、そこの波をゆうに凌駕してしまうような波がそこにはあるという話だった。
しかもまだ欧米からのサーファーの姿はなく混雑とは無縁とのこと。
おまけにフレンドリーなロコサーファーたちが歓待してくれるというではないか。
バリ移住当初からの友人であるクタのレジェンドサーファーのキックが「イクカー」と酒臭い息を吐く。
「アヨアヨ(インドネシア語で「イクカー」の意味」とサヌールロコサーファーのコマンが合いの手を入れる。
バリ在住サーフフォトグラファーKen-Gくんが「行くっしょ〜〜」とわかりやすくテンションを上げた。
「よ〜し、お前ら! まとめて全員連れてったるぞ〜」と謎の男ミスターM`sが赤目虚ろ目で大風呂敷を広げた。

大体にしてこういった酒宴の席での話は勢いだけで実現することはほとんどない。
誰も期待はしていなかった。
しかしこのミスターM`sという謎の男。
一度口に出したらそれを実現してしまうという謎の力を持っている謎の人物なのである。
ある日、着信音とともにボクの携帯電話の画面に『ミスターM`s』の名が刻まれた。
開口一番、「おい、チケット取ったからな」と怒鳴るような声が耳に飛び込んできた。
ボクはその連絡にわかりやすくうろたえた。
「マ・マジっすか?」
「マジだよ〜」
この日を境にバリ島がザワザワと騒つき始めた。
キックから「聞いた?」と電話が入り、Ken-Gくんは「やーばいっしょ〜」を連発していた。
そしてコマンは興奮のあまり不眠に陥っていったのだった。
>> 次のページは >> こんな風にして旅は始まっていった

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サマサマ号でゆく、スンバ島の旅。 〜 その3 伝説の波との遭遇 〜

伝説のレギュラー

伝説のレギュラー


サーフアイランドとしてのスンバ島のポテンシャルは計り知れない。
マラリアの蔓延やインフラの未整備などが要因で訪れるサーファーは決して多くないが、ボートトリップであればその辺りの問題は軽々とクリアしてしまう。
海上で寝泊まりするので蚊問題はないし、ボート内のインフラは十分整っている。
海上がりにゲロを吐くまで冷えたビールを飲み続けることだってできる。
日本から持ち込んだ食材を使って日本食を堪能することだってできる。
その上経験豊富なキャプテンがスウェルの方向や風向き、潮の状況から判断し、最適と思われるポイントまで連れて行ってくれる。
我々サーファーはダラシなくボートに揺られながらポイントに着くのを待つだけだ。
通常の旅で見舞われる数々のトラブルなどとは無縁の世界。
そういったトラブルこそ旅のエッセンスになったりするので少々の物足りなさは感じてしまうのだが、でもやっぱりトラブルなどないに越したことはない。
要するにボートトリップとはスンバのような過酷な辺境地でこそその本領が発揮されるのだ。
ボートでは和気あいあい

ボートでは和気あいあい


さて、いよいよ旅も後半へと突入していく。
急速にサーフジャンキー化していく旅のクルーたち。
何しろボートトリップではサーフィンをする以外の選択肢はほとんどないのだ。
自然と体は絞られ、ヒゲを剃るのも億劫になり、シャンプーをする回数も徐々に減っていく。
獣のような匂いを発しながら野生化しつつ波と酒に身を委ねていく。
取り返しのつかないほどの現実社会との乖離が始まっていく。
もうそれまで抱えていた悩みなどどうでもよくなってきてしまう。

ただ、『今』を感じるだけの時間。
海風が身体を包み込む。
陸に目をやると乾いた岩肌とその奥にはジャングルが広がる。
時折、筋状に上がる煙が人間の存在を示しているが、それ以外で人の気配が感じられることはない。
文明社会が恐ろしく遠い存在に感じられる。
携帯の電波など届くはずもなく、i-phoneの電源はオフのままだ。
何もかも捨てて、このままこんな原始の世界に身を委ねたい。
そんな欲求が頭をもたげてくる。
社会復帰レッドゾーンにメーターが達していることに恐怖を感じつつもそんなことですらどうでもよくなってきてしまう。
それほどまでにリラックスした時を過ごすことができるのだ。

>> 次のページは >> ヨシな波に遭遇!!

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サマサマ号でゆく、スンバ島の旅。〜その2 心は真っ二つ 〜

Super funなレフト

Super funなレフト


 サマサマ号に乗り込むと否応無しに裸足生活が始まる。
ビーサンを所定の位置にしまいこむと旅の終わりまで持ち出すことはない。
何しろ旅中はサーフィンをしているか、船で過ごすかのどちらかというごくシンプルな生活を送ることになるのだ。
サーファーにとってはこれ以上ない贅沢な旅なのである。

前回のスンバトリップでは港から丸1日の航海を経てようやく1ラウンド目のサーフスポットにたどり着くことができた。
しかし今回はOMツアーさんとの打ち合わせで密かに初日の夕方からサーフィンができるプランを立てていた。
我ら塩漬け頭のサーファーたちであってもそういったところにはちゃっかり機転が効いてしまう。
午前中にバリ島を出発し、夕方には塩に浸かれるという魂胆なのである。

今回の旅にはサーファー御用達の波情報サイト『波伝説』から加藤社長をはじめ、3人のスタッフがクルーとして参加していた。
彼らは普段から波に点数をつけることを生業としている。
そんな彼らには今回の波に逐一点数をつけてもらうことにしてみた。
これは案外興味深い試みである。

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サマサマ号でゆく、スンバ島 〜 その1 サイコーを求めて 〜

どうですか、この波!

どうですか、この波!


この1年、やや狂ったかのようにボートトリップへと出かけている。
今回のこの旅で実に5度目の乗船となる。
もうここまでくると立派な中毒症である。
「もう揺れていないとダメな体になってしまったの、ワタシ」
末期的症状を伴う体の震えは一歩船に足を踏み入れた瞬間からゆっくりと収まっていく。
そんなよくわからない病的妄想を抱きつつ今回もOMツアー主催のサマサマ号スンバトリップへと身を委ねていくのであった。

ボートトリップの魅力は色々とある。
そのあたりに関してはこれまでも雑誌やブログ記事で何度となくご紹介してきた。
しかし、本当の真髄的魅力というのはやはり何を差し置いても『波』にあると勝手に思っている。
ボートでしかアクセスできないような辺境の地のサーフスポットでは当然混雑などとは無縁だ。
いや、無縁どころか陸にも海にも空にもどこにも人っ子一人いないという世界が広がっている。
そうなってくると波のクオリティがそこそこだったとしてもまあ満足できてしまう。
しかし、そんな環境下でなおかつ波が素晴らしかったらやはりその旅は『サイコー』となるにちがいない。
今回もまたそんな『サイコー』を求めて懲りずに船に乗り込んだのであった。

我らがサマサマ号

我らがサマサマ号


今回の目的地はスンバ島である。
バリ島から東にロンボク、スンバワと続き、そのお隣がスンバである。
バリはもちろんのこと、ロンボク、スンバワと比べても知名度の低いマイナーアイランドである。
道の整備もまだまだで、マラリアの危険もささやかれる秘境中の秘境だ。
ランドトリップを敢行するにはリスクが大きい。
ポイントの近くにでき始めたいくつかのサーフキャンプですら、水道、電気と言った基本的ライフラインすらもあやしいと聞く。

そこで登場が我らがサマサマ号なのである。
そんな場所にはボートがぴったりだ。
きっちり3食つきで、サーフィン後の冷えたビンタンビールも約束されている。
マラリアを運んでくる蚊たちもさすがに海を渡ってきたりはしない。
移動時間はゆらゆらと波間に揺られながらの気持ちのいい居眠りタイムが約束されている。
道なき場所にでも楽々と海からアクセスできてしまう。
スンバはまさにボートトリップのための島、と言っても大げさではないのである。

昨年の旅ではレギュラーの恐ろしくクオリティの高い素晴らしい波を当てることができた。
しかし旅程の大半をそこで過ごしてしまい、周辺のスポットをまわれなかったという反省点も残していた。
同じ轍を踏んではならないとばかりに、今回は事前にしっかりとスンバのサーフスポット情報を収集して旅に臨んだ。
辞書を片手に洋書も読み込んだ。
まあまあやる気なのである。
その結果、とにかくあちこちにワールドクラスの波が潜んでいることを事前にキャッチできていた。
サマサマ号のキャプテンとの会話の中にもそんな風にして得た豆知識を散りばめつつ、暗に「今回は色々と連れて行けよ、俺は色々と知ってんだかんな」という無言のプレッシャーをかけ続けた。
そしてこの旅はそんなボクのたゆまぬ努力が身を結び、次々と素晴らしい波をキャッチすることになった、などと都合良く自分ワールドを形成しつつ悦に入っていくのであった。
まあとにかく、今回の旅はボクのボートトリップ史上においても最高の旅になったことだけは前もって明記しておこうと思う。

つづく

その2はこちら

(有本圭)
※facebookアカウント『Kei Arimoto』では友だち上限に達してしまったため、『フォロー』という形でこれからも皆さんと繋がっていけたらと思ってます。インスタグラムkeiarimotoも始めましたのでそちらもよろしくお願いします。サーファー、海好き、バリ好きの皆さん、是非フォローしてくださいね!

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サマサマ号でゆく、ウェストティモールの旅 Vol4 サーフィンの源にふれた旅

我らがサマサマ号

我らがサマサマ号


ご察しの通り、アルコールにまみれた旅となっていた。(前回はこちら
朝のサーフィンを終えるとためらうこともなく午前8時台には1本目のビンタンビールのプルタブを引いていた。
夕方はといえば「じゃあ、夜の酒を美味しく飲むために」などと言いながらピークへとパドルしていった。
そうかと思えば「よし、じゃあ酒の肴を釣るぞ」と竿を振った。
なんとなくこの旅は酒中心にすべてのことがまわり始めていた。
調理中のしょーごさん。こわいよ〜〜(笑)

調理中のしょーごさん。こわいよ〜〜(笑)


そんな酒主導型トリップにおいて大変な活躍をみせたのがこの旅で『ツートップ』の名を欲しいままにした職業的本格派釣り師川島さんと横須賀釣り連合総長ショーゴさんとの夢の共演だった。
釣ったかと思えば包丁を振るい、昆布で締めたかと思えばお造りを仕上げ、カルパッチョに和風梅カルパッチョ、炙りに唐揚げと「ここは漁師町の小料理屋か」と思わせるほど毎晩食卓が賑わっていた。
「もうこんな贅沢な船乗っちゃったら他の船には乗れないっすよ〜」と漫画風大盛りご飯を片手に米を頬張っていた米伝説タッキーは常に幸せそうに目尻を下げていた。

そんでもって肝心な波の方であるが、T−landから一晩かけてやってきたサブ島の某ポイントでは期待していたバレルは現れることがなかった。
後から書物で調べてみるとそのポイントは『極端に気まぐれなスポット』との記述が載っていた。
まったくその通りであった。
確かに昨年のトリップでは波がないとの予報の中で素晴らしい波に巡り合えていた。
今年は波が上がるとの予想の中でスモールコンディションに見舞われてしまった。
極端に気まぐれなスポットなのだからこんなもんなのだろう。
そんな気まぐれなサブ島サブちゃんにはきっぱりと見切りをつけることにして、全員での協議の上でT-landエリアに戻るという決断を下した。
この決断が大変に正しかった。
>> 次のページは >>  サーフィンの本質??

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サマサマ号でゆく、ウェストティモールの旅 Vol3 サマサマ号あらため『様々号』? 

川島さん、今トリップ最高の1枚

川島さん、今トリップ最高の1枚


ロテ島周辺での勝利の方程式がだんだんと明らかになってきた。
メインスポットであるT-landは夕方になるとサーファーの姿がなくなる。
情報によると朝のセッションを終えた島ステイのサーファーたちは早々に飲み始める者が多いらしく、夕方にはマークが外れるという。
おかげでサンセットタイムにはほぼ貸切状態で極上レフトが楽しめるというわけなのだ。(前回はこちら

で、肝心な朝のセッションはというと、これもあるんです。
とっておきのところが。
T-landの周辺にレギュラーのいいスポットを発見してしまったのです。
名前は伏せておきましょう。
伏せるので急に語尾が丁寧になります。
てめー、教えろよ、なんて乱暴に言われても困るのです。
こういうところは小さなこの胸に大切にしまっておくのです。
何しろ毎日貸切で素晴らしいレギュラーの波がブレイクするんですもの。
教えません。
バレるまでは。

美しきロテ島

美しきロテ島


こんな具合に朝はあそこのレギュラー、夕方になるとT-landという方程式で確実に一級品の波にありつくことができた。
でも人間てな生き物は大変に弱いもので、そんな素晴らしい状況下においても「ちょっと飽きてきたな」なんてバカげたことを言い出してしまう。
毎日焼肉にステーキ、というわけにはいかなくなってしまう。
時には納豆も、梅干しも食べたくなってしまうのが人間たるものサーファーたるものなのである。
でもって、いろいろと協議を重ねた結果、昨年貸切りパーフェクトバレルが現れたという伝説の島サブへと航海を進めることを決めたのだった。
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