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有本圭自伝『少年おじさん』 第3話 行けるのか!?地球一周

THE 能天気ーズ 左)小川大二郎 右)有本圭

THE 能天気ーズ 左)小川大二郎 右)有本圭

『能天気にして単純、加えて楽観主義』というおバカさん3大定義をきっちり持ち合わせている僕と悪友である大宮スケーター小川大二郎は、ピースボート地球一周クルーズに申し込んだ時点で、完全に乗船する気になっていた。(少年おじさん 2話はこちら
時間を持て余していた僕らは、暇な時間をピースボートのボランティアスタッフ(以下ボラスタ)としての活動に充て、旅費を少しでも安くしようという作戦を敢行していた。

1時間ボラスタとして仕事をすると、旅費から1000円割り引かれるというのは魅力だった。
仕事は非常に簡単で、ビラ配りやポスター貼りなど、脳ミソが溶けだしそうになっていた僕ら2人でもわりとすんなりできるものだった。
しかし、ボラスタの仕事は旅費が安くなるというだけで、現金収入にはならなかったので、船旅の際の現金も稼ぐ必要があった。

そこで僕は、昼間はボラスタ、夜は新宿歌舞伎町のバーでアルバイトという二重生活を始めることにしたのだ。
朝、高田馬場にあるピースボートの事務所に行き、ポスターやビラを山ほど受け取り、それを近隣などの地域で配り、夜になると歌舞伎町のネオン街へ消えていくという生活はなかなかハードなものだった。
しかし、僕には『カワイイ女の子たちとの地球一周クルーズ』が待っているのだ!、と気合を入れてなんとか乗り切っていった。そんなある日のこと、思いがけない残念なお知らせが僕の身に降りかかった。
出航を6月に控えたその年の1月の末、いつものようにピースボートの事務所にいくと、女性スタッフから「アリモトくん、ちょっといい?」と伏し目がちに声を掛けられた。
「はい、なんすか」
「ちょっとここに座って」とカウンターに促された。
「実はね、アリモトくん・・・ トラベルローンの申請が通らなかったのよ」
「・・・はい?」
「ローンがね、通らなかったの」
その瞬間、目の前が真っ白になり、熱気に溢れていた事務所の雑音が消えた。
僕にとっての唯一の目標が泡のように消えかかってしまっていることにボー然としてしまった。
「なんとかなんないんですかっ」
「他に方法はないんですか?」
「もう一回ローンの申請はできないんですか?」
とすがる様に懇願することしかできなかった。
「そうね、一周は無理でも半周とか4分の1周のコースがあるから、そっちで申請してみる?」
僕は即座に心の中で「やだー」と叫んでいた。
『地球半周』なんて、ましてや『地球4分の1周』なんて、僕の1周に対するトキメキはどうしてくれるのだ。
僕は明らかに沈んだ声で「はあ、じゃあ考えてみます」としか言えなかった。今から考えてみると定職も定収入も社会的信用も全くない21歳の若者に、旅費126万のローンが簡単におりるわけがない。
もし、今の僕がローンの審査員だったとしても、当時の僕の資料に目を通せば、迷うことなく『却下』のハンコを力強く押すことだろう。

トボトボ暗い気持ちでその日は家に帰った。

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