SWP | 365日、海! サーフィンと海遊びのブログマガジン

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有本圭自伝『少年おじさん』 第6話 『野良猫隊』はベトナムで・・・

1994年、6月9日に動機不純な僕を乗せたゴールデンオデッセイ号は竹芝桟橋を出港し、12日に石垣島、14日に香港へと立ち寄り、次なる寄港地ベトナムへ向けて順調な航海を進めていた。

僕はといえば、その間ちゃっかりMちゃんという永作博美似のカワイイ彼女が船内にできてしまい、すこぶるハッピーな船ライフを楽しんでいた。(前回はこちら

香港を過ぎたあたりから、航路は完全なる『夏地帯』に入ったらしく、デッキにいるときはひたすら海パンで過ごし、洋服の出番はほとんど無くなっていった。
日が経つにつれて、船内でも知り合いが増えてきて、人間関係も複雑になってきだした。
僕とMちゃんの関係については、僕たちがもともと付き合っていて、2人でこの船旅に参加していると思っている人が多かった。
それもそのはずである。
乗船2日目から僕とMちゃんはほぼ一緒に時を過ごしているわけだから、周囲にはそう映ったのも無理はない。
事情を説明すると皆一様に驚き、おののき、そして最後には称賛を与えてくれた。

「君、やるねー」
「すごいね、電光石火だね」

などなど。

まあ、今となってはとても自慢できるようなことではないのだが、当時はそれなりに優越感に浸ってしまっていたのだ。

さて、僕を乗せた船は6月17日の早朝、ベトナムのダナン港へ入港した。
翌18日の夕方まで停泊することになっている。
例によって主催者が企画しているオプショナルツアーに参加していない僕は解き放されたネコのように一目散に下船した。
僕は石垣島、香港で僕のようにオプショナルツアーに参加していない同じような趣向、境遇の人たちと自然と仲良くなっていた。
そのなかでも特に意気投合したのが植木屋さんのコマッキーと心優しいのカトキチ。
2人は僕より少し年上だったけど、年齢が近く、ちょっとアウトローな雰囲気も似ていた。
なんとなく自然の流れで、ベトナムで行動を共にすることになった。

石垣島、香港に続いての3カ所目となる寄港地ベトナム。
それなりに僕らは学んでいた。
上陸して、僕たちがまずしなくてはならないことは『足』を手に入れることだ。
できれば小回りのきくバイクが良い。
石垣島ではバイクを手に入れ、島をぐるりと回ることができ、有意義な時間を過ごすことができた。
しかし、香港では手に入れそこない、バスなどで移動し、そこそこ面倒な思いをしていたのだ。
そこで、僕たちは、港につけてたタクシーの運転手に「レンタバイク? OK?」などと完全カタコト英語で事情を説明し、レンタルバイク屋まで連れていってもうことにした。

僕たちはカブ(新聞屋さんが乗っているバイク)を手に入れることに成功し、マーブルマウンテンへ向かうことにした。
マーブルマウンテンは乗客のオプショナルツアーでもっとも人気のある観光先だったのだ。

石垣島、香港で学んだことがもう一つあった。
それは、やはり船の主催者側が企画しているオプショナルツアーがやはり非常によくできており、港からほど近い観光地を効率的に巡っている、という事実だった。
僕たち一切のツアーに申し込んでいない『野良猫隊』は、自力で足を確保し主催者が巡っている観光地へ勝手に行ってしまう、という作戦がいいのではないか、と密かに話し合っていたのだ。
あわよくば、そのツアーに潜り込んでガイドさんの話などを盗み聞きしてしまおう、などといういかにも小者が考えそうなことを話し合ったりもしていたのだった。

レンタルバイク屋で手に入れた簡易的な地図を頼りに僕ら『野良猫隊』は3台のバイクを連ねてマーブルマウンテンへと向かった。
マーブルマウンテンはベトナムのアンコールワットと言われている遺跡なのだが、僕はそんな遺跡なんかより、そこらじゅうににウジャウジャいた『物売り』の人たちの姿のほうに驚いてしまった。
『物売り』には子どもたちの姿も少なくなかった。
僕ら日本人を見つけると、わーっと集まってきて、僕らが動くたびにまるで『ハーメルンの笛吹き男』のように後ろからぞろぞろと物売りの子どもたちがついてまわってくるのだ。
彼らは口々に何かを売ろうと必死に話かけてくる。
僕はあいまいな笑顔を振りまきつつも、どう対応していいのか困ってしまった。

物売りたち。 すごい執念だった

物売りたち。 すごい執念だった


ざっと見たところ20人くらいの子どもたちが僕の後をぞろぞろついてきていた。

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